銅合金・アルミ合金・リードフレーム材・Niめっき等の自然酸化層、強制加熱酸化層の工程内での定量管理が可能です。
銅合金の自然酸化膜の定量評価
図1 電荷付与後の表面電位推移 <りん脱酸銅>

図2 初期表面電位 Viの推移

図3 表面電位シフト dV0の推移

図4 表面電位シフト dV0の推移(りん脱酸銅)

所見
試料 | 換算仕事関数θ(eV) | 測定値Vi(mV) |
りん脱酸銅 | 4.89 | 215 |
真鍮 | 4.61 | 491 |
りん青銅 | 4.95 | 151 |
洋白 | 4.83 | 271 |
Viの減少量はViが大きい(仕事関数が小さい)程大きい(もっとも卑なZnを含む真鍮、洋白で大きい)。
dV0は放置100時間後から対数関数に比例して増加します(図3、4)。
上記から自然酸化膜は放置後約100時間で表面全体を覆い、その後対数関数に比例して成長します。
別の測定から約250日放置後のりん脱酸銅上に生成された自然酸化膜(Cu2O)の厚さは約15nmと推定されます。